知っておきたい遺伝の種類とは

これからの医療は「遺伝」がカギになる

そもそも遺伝とは

遺伝性疾患やそれに伴うケアについて知るために、そもそも遺伝とはどういった仕組みのものなのかを、常染色体優性遺伝、常染色体劣性遺伝、X連鎖性劣性遺伝、X連鎖性優性遺伝の種類ごとに詳しく紹介します。基本的な知識として押さえておきましょう。

そもそも遺伝とは

常染色体優性遺伝

我々が両親から受け継ぐ遺伝子はペアの形を成しています。そのうちの一方は特徴が出やすく、優性と呼びますが、この優性遺伝子に変化が起こることで症状が出ます。優性遺伝子に何らかの変化があることを遺伝子変異と呼び、これがあると通常とは異なるタンパク質が形成されます。遺伝にはいくつかの特徴があります。まず、半分の確率で病気の遺伝子が伝わります。そして、男女差はありません。病気や病気の原因となる変異は世代ごとに発生するものです。
優性遺伝の疾患においては、家族の中でも症状に差異があります。例えば、親は軽い症状で病院に行かなくても問題がない程度だったとしても、子どもは重症になる可能性があります。このように、一見すると隔世遺伝のようなケースも存在するのです。

常染色体劣性遺伝

人間は誰しも、何らかの変異遺伝子を持っており、1つの変異遺伝子だけを理由に症状が出ることはありません。1つの遺伝子に変異があっても、ペアとなるもう一方の遺伝子がカバーしてくれるからです。このような変異遺伝子を劣性遺伝子と呼びますが、もし両親が同じ場所に劣性遺伝子を持っていた場合、変異が2つある子どもが生まれる可能性があります。そうなると、タンパク質の形成に問題が生じます。この場合は、25%の確率で症状が出ます。
劣性遺伝の場合、子どもに症状がある際は両親双方が病気の保因者で、男女差はありません。ただし、両親や親族に症状を持つ人がいなくとも、子どもだけが遺伝性疾患になる可能性があります。

X連鎖性劣性遺伝

X連鎖性とは、変異遺伝子がX染色体のうちの1本にのっているもので、女性の場合はXを2本、男性はXとYを持っています。変異遺伝子が母親から遺伝した男性の半分に症状が出ます。そのため、父親から息子への遺伝はないのが特徴です。ただし、男性の娘を介して、孫へと遺伝する可能性があります。そして、孫が男性だった場合は半分の確率で発症します。また、保因者の女性は症状がほとんど出ません。

X連鎖性優性遺伝

変異遺伝子を受け継いだ場合、男性でも女性でも症状を持ちます。症状のある男性の場合、その娘には変異が伝わりますが、息子の場合は伝わりません。女性で症状があり、変異遺伝子を1つだけ持つ場合は、半分の確率で子どもに変異が伝わります。

遺伝を詳しく知る

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