需要が伸びている遺伝子検査サービス

これからの医療は「遺伝」がカギになる

遺伝子検査ブームの到来

近年、世界的に起きている遺伝子検査ブームについて、現状や今後の展望について紹介していきます。アメリカと日本では遺伝子検査の活用方法が異なるようです。

遺伝子検査ブームの到来

需要が伸び続けている

遺伝子検査とはその名の通り、個人の遺伝子を解析して最適化した病気予防策の提案などを行う検査のことです。市場規模はすでに1兆円以上で、日本だけでもかなりの数の事業者が参入しています。一般的な遺伝子検査は細胞内のDNAを調べるもので、検査キットを使って唾液を採取し、それを輸送するだけで検査結果を得られます。がんや糖尿病、高血圧、ぜんそくなどの発症リスクを調べられるだけではなく、アルツハイマーを発症しやすいかどうかなども検査可能です。項目の数は事業者によって異なりますが、非常に多くの内容を検査することができます。
価格は1万円から5万円程で、最近は低価格化が進んでいます。インターネット上だけではなく、スポーツ施設などでも購入可能です。検体を輸送してから1ヵ月ほどで結果が届くため、手軽さも相まって人気を伸ばし続けています。

アメリカと日本で目的が違う

遺伝子検査が最も盛んなのはアメリカです。そのため、近年は価格競争が激しくなっています。利用者の数も増え続け、今では12人に1人の割合で遺伝子検査を受けていると言われています。なぜこれだけアメリカで遺伝子検査の需要が伸びたのかと言うと、アメリカが移民の国であることが関係しています。自分のルーツがどこにあるのかを調べるために、遺伝子検査を受ける人が多いのです。
一方、日本においては疾病予防やダイエットなどが遺伝子検査を利用する目的として多いようです。病気のリスクや身体的特徴を一度に調べられるものや、肥満や肌老化などを調べられるものなど、ニーズに合わせてカスタマイズされた遺伝子検査サービスが増えています。自分のことを検査するだけではなく、両親や友人へのプレゼントとして活用するケースも多いです。

今後どうなるか

アメリカでは市場競争が激化しているため、価格の低下は今後も続いていくことが見込まれます。日本においてはアメリカほど普及しておらず、「興味はあるけど踏み出せないでいる」という人が多いです。その理由として、遺伝子検査を提供する側と受ける側の心理的なギャップが挙げられます。検査を実施するのは民間の非医療関係者であり、生活習慣などが関与する他因子疾患を対象にした上で、検査結果はあくまで統計学上の数値です。しかし、その点を理解している人は少なく、結果を重大な事項として受け止めてしまう恐怖感があるのです。ただしその点は、遺伝子検査に対する理解が深まっていくことで徐々に解消され、日本においても市場競争が激しくなっていくでしょう。

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