X連鎖性劣性遺伝による遺伝性疾患「血友病」

これからの医療は「遺伝」がカギになる

血友病(X連鎖性劣性遺伝)

X連鎖性劣性遺伝による遺伝性疾患「血友病」について紹介します。血友病は、出血時に血が止まりにくくなる病気です。

血友病(X連鎖性劣性遺伝)

血友病について

通常、出血時には血管・血小板・凝固因子の3つの作用によって止血が行われます。血友病は、この中の凝固因子が生まれつき不足している状態です。凝固因子は、止血される工程において、いわゆるセメントのような役割を担う因子です。凝固因子は約12種類に分類することができますが、第VIII因子あるいは第IX因子が不足している状態が血友病です。第VIII因子が不足しているのをAタイプ、第IX因子が不足しているのをBタイプと呼びます。

重症度について

X染色体にある因子遺伝子の異常によって発症しますが、重症度は因子の動きがどの程度活発なのかを示す凝固因子レベルによって異なります。%(パーセント)で表示される数値で、正常な凝固因子レベルは50%~150%であるのに対し、血友病患者の場合は軽症で5%以上、中等症で1~5%、重症で1%未満です。

詳細な遺伝形式

血友病の男性が父親の場合、その男児は母親からX染色体、父親からY染色体が受け継がれるので、すべて健常です。しかし、女児の場合は父親からX染色体を受け継ぐので保因者となります。また、保因者の女性が母親で、男児を出産する場合は、母親から受け継がれるX染色体に異常のある場合、血友病となります。逆に、正常なX染色体を受け継ぐ場合は、発症率は50%になります。保因者の女性が女児を出産する場合、母親から受け継ぐX染色体が異常のある場合に保因者となります。受け継ぐX染色体に異常があれば、先述の男児と同様50%の確率で血友病となります。
確定保因者として挙げられるのは、「血友病の父親を持つ女性」「2人以上血友病の子どもを持つ女性」「1人以上血友病の子どもを持ち近親者に血友病患者がいる女性」です。血友病患者の多くは母親が保因者ですが、突然変異で血友病となることもあります。おおよそ、血友病患者の3割は突然変異です。そのため、血友病の子どもを1人だけ持つ女性の場合、保因者かどうかは分かりません。母系に血友病患者がいる女性や、兄弟に血友病患者がいる姉妹も、可能性はあるものの確定ではありません。

ヨーロッパ貴族に深く関わりがある

1853年、近世ヨーロッパの時代に英国ビクトリア女王の第8王子であるレオポルド王子が血友病で、王女2人が血友病保因者でした。そして、王女が嫁いでいったことで他国の王家にも血友病が伝わったことから、「Royal disease」と呼ばれています。

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