すべての妊娠に遺伝子異常のリスクがある

これからの医療は「遺伝」がカギになる

妊娠に伴う遺伝子異常

妊娠に伴う遺伝子異常について紹介していきます。すべての妊娠にリスクが伴いますが、一定の条件下においてはより一層そのリスクが高まる傾向にあります。

妊娠に伴う遺伝子異常

要因が複数ある場合

先天異常の中には、1つの遺伝子異常だけではなく妊娠環境下におけるその他の特定物質の影響によって起こるケースがあります。具体的には、薬剤やアルコールなどの物質が理由で起こる異常です。心臓の奇形などの先天異常は、このような多因子遺伝で起こります。

脊髄の先天異常

脳や脊髄における先天異常が神経管閉鎖不全です。二分脊髄や無脳症などがこれにあたります。米国では1000人に1人の割合で神経管閉鎖不全が発生しており、上述の多因子遺伝が原因のケースが多いですが、その他にも家族歴などが原因で発生することもあります。家系内に神経管閉鎖不全の症状を持っている人がいた場合に、わずかながらですがリスクが高まります。また、葉酸の摂取量が少ない場合にもリスクが高まります。そのため、妊婦は葉酸のサプリメントを摂取することが推奨されています。それ以外だと、居住地によってもリスクが異なります。

妊娠における染色体異常

染色体異常のある胎児の多くは生まれる前に死亡しますが、生まれた際に最も多い染色体異常のケースとして挙げられるのがダウン症候群です。染色体異常のある子どもが生まれるリスクには様々な要因があります。
まずは女性の年齢です。ダウン症候群の子どもが生まれるリスクは出産する女性の年齢が上がれば上がるほど高くなると言われており、35歳以上になると急激に高くなります。また、家族歴も関係します。以前に先天異常児を出産、あるいは死産を経験したことがある場合もリスクが上がります。これまでに何度か流産を経験している場合、以前に流産した胎児に染色体異常があった際に、同じ異常であるとは限りません。もし、流産を経験している場合は、事前にパートナーと染色体検査を受けたほうがいいでしょう。まれにですが、本人は問題なくともパートナーのどちらか一方の親の染色体異常により、生まれる子どもに染色体異常が起こることもあります。

単一遺伝子疾患

単一遺伝子疾患は1対の遺伝子のみが関与している遺伝子疾患です。遺伝子が突然変異を起こすことで正常な機能を維持できなくなり、先天異常や病気を引き起こします。単一遺伝子疾患のリスクは優性遺伝子によるものか、両方の遺伝子に変異があるのかで異なります。また、X染色体上に異常遺伝子がある場合にも、遺伝子疾患が起こり得ます。

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